「アナと雪の女王」~ハンスは悪人なのか

2019年1月3日、地上波にて『アナと雪の女王』『アナと雪の女王 家族の思い出』が放送されます。

みなさん、あの時の感動を覚えていますか?

 

 

ところで。

私が常々思っている疑問。

それは登場人物、ハンスについてです。

映画を見た方も多いのであえてネタバレしてしまいますと、ハンスは「悪役」です。

王位を狙って世間知らずのアナに近づき、挙句の果てにアナを裏切りエルサ共々亡き者にしようとする。

悪人です。極悪人です。

この展開、読めた人と読めなかった人がいるでしょう。

私は全く読めなかったクチです(←あまり先読みせずに見るタイプ)

 

では、ハンスは本当に悪人だったのか?

私の中で、答えは「NO」です。

アナに近付き、取り入って結婚しようという意図はあったと思います。

13番目に生まれた王子ならば、それぐらいの打算は十分あるでしょう。

 

でもエルサがあんなこと-街を凍らせてアレンデールを危機に落とすこと-がなければ、二人は普通に結婚し、アナはそこそこ幸せに暮らしたのではないか?

 

そしてハンスの方も、エルサを殺そうとまでは思わずうまく立ち回ってアレ

デールで生きていったのでは?と思うのです。

アナがエルサを探しに行った後、ハンスは留守を任されて献身的に国民の世話している。

馬が帰って来たときはアナを心配して凍った山へ向かうし、

エルサをつかまえても殺さず「できるだけのことはする」と言っている。

悪人に豹変したのは、アナが帰って来て「真実の愛」を求めてキスを迫った時。

ハンスはその時までは多少迷いながらも、まだアナを好きだったのではないかと思うのです。

ハンスはもう一度アナを探しに行こうとし、アレンデールの家臣達に止められます。

 

「アナ王女にもしものことがあったら、
アレンデールが頼れるのはあなただけだ」

 

この瞬間、ハンスは悪魔に魂を売ったのではないか。

この言葉を聞いた時のハンスの顔が満足そうというか、ちょっと微笑んでいるように見えるのです。

その直後にアナが帰って来ます。

アレンデールの家臣や国民の信頼を勝ち得て、「しめた!」と思った瞬間に帰還した婚約者。

もう彼の中では邪魔者でしかないのでしょう。

その後の展開は言わずもがな。

私がこのような解釈をするのは、ハンス王子を好きなわけでもなければ、自分がお人よしなわけでもありません。

ただ、アナとハンスのデュエット「扉を開けて」という曲が素晴らしいからという理由に尽きます。

anahans.png

ハンスが最初から悪人であり、最初からアナやエルサを亡き者にして王位を奪おうと考えていたとすれば、あの歌は全てが嘘です。

劇中で3番目(←個人比)にいい曲が、サントラにも入っている曲が、全くの虚言なんてディズニーが許すの?

いや、そんなことはさておいても「扉を開けて」は本当に素敵な、恋人同士のデュエットです。

ハンス同様、アナやエルサのキャラクターについても描き方が足らない気はします。

なのでハンスの行動や豹変ぶりが唐突でも、突っ込むところではないかもしれません。

でも。

もともと「悪人」という人はいない。

誰でも心の中に「悪」の部分があり、「悪」が人間を作るのだ。

というメッセージが隠れているのでは?というのは深読みが過ぎるでしょうか。

 

 

 

この文章は、過去に別ブログ(現在閉鎖)にて書いた『アナと雪の女王』レビューをリライトしました。

最初に見た新鮮な気持ちの時に感じたことです。

あれから何年も経ち、続編も出ました。

(続編のハンスの扱いのぞんざいなこと)

そして「アナ雪」後に制作されたディズニー映画を見ると、私のハンス評は深読みだったのかな・・・と思ったりします(^^;