映画館で映画を観た時、同時上映に短編作品が上映されるとちょっと得した気分になりませんか?
ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ作品は同時上映作品が無い時がありますが、ピクサー作品はほぼ必ず短編作品が同時上映されます。
これが、すごくいい作品があるのですよね。
その後本編を見るので帰る頃にはすっかり忘れてしまっていたりするのですが(^^;
ピクサーの長編映画作品は、『トイ・ストーリー』『トイストーリー4』『2分の1の魔法』以外は短編アニメーションを同時上映しています。(『リメンバー・ミー』では、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の短編作品『アナと雪の女王/家族の思い出』が同時上映されています。)
上映時間は4分~8分ほどで、セリフがないものが多く字幕もほとんどありませんが、意味がわかるところがショートフィルムの良いところですね。
私が鑑賞した作品に偏ってしまいますが、特に好きな作品を紹介したいと思います。
ひな鳥の冒険
監督:アラン・バリラーロ
音楽:アラン・バリラーロ
上映時間:6分
原題:『Piper』(「笛を吹く人」という意味。”sandpiper”でシギ)
『ファインディング・ドリー』同時上映作品です。
ピクサーのショートフィルム作品の中で、一番好きかも?と思います。
「そろそろ自分で餌を捕りなさい」と促すシギの母鳥と、まだまだ甘えていたいひな鳥。
ひな鳥がとってもかわいいです。そして厳しくも優しい母鳥。
観終わって、ほんわかする作品です。
映像がとてもリアルで美しいです。
第89回アカデミー賞アカデミー短編アニメ賞を受賞した作品です。
晴れ ときどき くもり
監督:ピーター・ソーン
音楽:マイケル・ジアッキノ、ケヴィン・リハー
上映時間:
原題:『Parly cloudy』(「晴れときどき曇り」という意味)
『カールじいさんと空飛ぶ家』同時上映作品です。
コウノトリとその主人(?)との関係が、とっても暖かいです。
コウノトリのアニメーションはとてもピクサーっぽいな~♪と思いました。
監督のピーター・ソーンは、『レミーのおいしいレストラン』『Mr.インクレディブル』『ウォーリー』にも携わった、ピクサーのアニメーター・ストーリーボードアーティスト・声優でもあるそうです。
ワンマン・バンド
監督:アンドリュー・ヒメネス、マーク・アンドリュース
音楽:マイケル・ジアッチーノ
上映時間:4分
原題:『One Man Band』(「いくつもの楽器を同時に一人だけで演奏する男性」という意味)
『カーズ』同時上映作品です。
登場する小さい女の子がかわいい。
かわいいけれどしっかり者で、『モンスターズ・インク』のブーを連想させます。
出だしは少し不気味だけれど、最後はスカッとさせてくれます。
Bao
監督:ドミー・シー
音楽:トビー・チュー
上映時間:8分
原題:『Bao』(包むものを数える際の量詞、包む、含む、という意味)
『インクレディブル・ファミリー』同時上映作品です。
監督のドミー・シーはスタジオ初の女性・アジア人監督となります。
命が宿った小籠包が、とってもかわいいです。そしてそれを大事に育てて行く女性。
暖かい物語かと思いきや、後半に驚きの出来事が!
作品が訴えることへの受け止め方は人それぞれですが、母親はすごく考えさせられるお話です。
父親でも同じかも?と考えますが、なんとなく食べ物を育てて行く感じ、そしてあの驚きの出来事が、なんとなく母性を表している気がします。
短いながらも考えさせられる作品。
デイ&ナイト
監督:テディ・ニュートン
音楽:マイケル・ジアッチーノ
上映時間:5分57秒
原題:『Day & Night』
『トイ・ストーリー3』同時上映作品です。
ピクサーのアニメーションとしては珍しく、2Dと3Dを融合させた実験的な作品です。
絵柄は典型的なアメリカのカートゥーンを感じさせます。
オチのナレーション部分は字幕がないとわかりにくいですが、明るい気持ちで終われる作品です。
ティン・トイ
監督:ジョン・ラセター
音楽:マイケル・ジアッチーノ
上映時間:5分
原題:『Tin Toy』(「ブリキのおもちゃ」という意味)
この作品は同時上映はありませんが、『トイ・ストーリー』の原型となった作品としても知られています。
初期の作品だけあって人間の映像のクオリティは低いですが、おもちゃのティニーはとてもかわいくて欲しくなります。
『トイ・ストーリー4』にも少しだけ出演しています。
ゲーリーじいさんのチェス
監督:ヤン・ピンカヴァ
上映時間:4分
原題:『Geri’s Game』
『バグズ・ライフ』同時上映作品です。
ピクサー作品で、一番最初に同時上映作品として上映された短編アニメーションです。
秋の公園で、一人二役でチェスを指すゲーリーじいさん。なかなかシュールなお話です。
このゲーリーじいさんは、実は『トイ・ストーリー2』に出てくる修理屋のじいさんなのだそうで。
この修理屋がウッディのほつれた腕を直すのですが、彼の道具箱の引き出しに、チェスの駒が仕込まれています。
第70回アカデミー賞アカデミー短編アニメ賞を受賞しています。
南の島のラブ・ソング
監督:ジェームズ・フォード・マーフィー
音楽:ジェームズ・フォード・マーフィー
上映時間:7分
原題:『Lava』(「溶岩」という意味)
『インサイド・ヘッド』の同時上映作品です。
全編歌で進んで行くので珍しく吹替えが入っていますが、今までセリフなしでやってきたピクサーにしてはやけに説明的な歌だな、と思いました。
映像はすごく綺麗ですが、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品ぽい印象を受けました。
原題『Lava』を覚えていると、最後のシーンが楽しめます^^
番外編:愛犬とごちそう
監督:パトリック・オズボーン
上映時間:6分
原題:『Feast』(「ごちそう」という意味)
こちらはピクサーではなく、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオの作品で、『ベイマックス』の同時上映作品です。
個人的に、この作品は『ひな鳥の冒険』と並んで一番好きな作品なので、番外編として入れさせていただきました。
第87回アカデミー賞アカデミー短編アニメ賞を受賞しています。
とにかく犬がかわいい!だけでなく、犬はいろいろなことを考えているのです・・・。
近年のピクサー作品に比べて、アニメーションが緻密ではないなと思ったのですが、キャラクターのデザインをシンプルで美しいものにすることで、観客がストーリーに集中できるように配慮して製作したのだそうです。
いかがでしたか?
どれも短い作品ではありますが、その短い時間の中にたくさんの意味が込められた良質な作品ばかりです。
短いからこそ表現できるもの、共感できるものがあるのでしょう。
ショートフィルムだけを集めたDVDもありますし、本編のDVD/ブルーレイに収録されている作品もあるので、興味のある方はぜひ鑑賞してみてください♪